イタリアンのお店では、ビールやワインを楽しんで、2人ともほろ酔い。
饒舌になってきた私は、こんな突っ込んだことも聞いてみた。
私「ゆうき君って、いつから彼女いないの?」
ゆうき「あ~…半年前くらい、かな?」
私「そうなんだ…。何で別れちゃったの?」
ゆうき「ん~…」
ちょっと渋い顔のゆうき君。
まぁ別れた元カノの話とか、あんましたくないよね…
でも!気になるんだもん!!
元カノは、何でこんなイイ男と別れちゃったんだろう~?って。
それに、別れた理由を聞いておけば、ホラ、もし…もしもよ!?
ゆうきくんと付き合えたりなんかしちゃった時に、長くお付き合いしていくための参考にもなるかもしれないじゃない?
(妄想癖爆発中)
ゆうき「元カノがさ、男友達とか結構多くて。クラブとかも行ったりしてるし、朝まで連絡つかないこともよくあって…。そいうのにちょっと、疲れちゃったんだよね」
私「そう、なんだ…」
ゆうき君の「これ以上聞いてくれるな」という空気を読んで、それ以上は突っ込まないことにした。
にしても、元カノとんでもねぇな。
こんないい彼氏がいるのに、遊びまわってるとか…。
私だったら、ゆうき君に絶対そんな思いさせないのに!!
誰にも頼まれていない謎の決意表明を、私が心の中でこっそりしたところで、お店の退店時間が来てしまった。
お会計は私がお手洗いに行っている間に終わってました。
どこまでスマート男子!!
私「お会計、してくれたの?」
ゆうき「もちろん!気にしないで~」
なんてお決まりのセリフを吐きながら、ふわふわした足取りで店外へ。
私とゆうき君は、3時間ほど楽しくお酒を酌み交わしたおかげで、すっかりタメ口になるくらいには仲良くなっていました。
もう一軒くらい行きたいな……。
ゆうき「まいちゃん、電車は何線だっけ?」
まい「あ…地下鉄、だけど…」
帰りの電車、聞かれた……!
ってことは…もう帰っちゃうの!?
そんなぁぁぁ。しかも、こんなあっさり…
――あれ?これってもしかして、脈ナシ…
ゆうき「まいちゃん、今日はありがとう。本当に楽しかった!…また、次も会ってくれる?」
!!!
――完璧!
完璧すぎませんか!?この殿方!!
『まだ一緒にいたいな』くらいの名残惜しさが残るこのタイミングで!
次の約束!!
一度落ちかけた気持ちが、天にも昇る気持ちで
急・上・昇!!!
次のデート日を決めて、21時半には健全に解散。
こうして、私とゆうき君の初デートは幕を閉じました。